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【76】アトピーの調子が成人してからよくなった話1
こんにちは!
僕は生まれつき「アトピー性皮膚炎」を患っておりまして、肌がヨワヨワです。現在は2025年の1月1日、日本列島はスーパー乾燥列島状態でカサカサです。そんな僕ですが、なんと2024年!
「肌がしんどい」ことを意識せず(正確には荒れ始めてもすぐ対処できた)過ごすことができました!!!
うわあああああああああああ!!!(富士山山頂部からでもふもとに聞こえるぐらいの絶叫)
これふつうの人にとっては「? 何がすごいのかわからん」って感じかと思うんですが、たぶん同じ病気の方は「マジンゴ!??」ってなると思うんですよね。たぶんなんJ民ではないと思うけど。
現在30歳前後で、社会人も少し経験したぐらいです。完治とは全然言いませんが(というか多分それは無理)、僕も成人してからこんな風になれるとは思ってなかったです。が、生来 駄々草な性格の僕でもこうなれたのが嬉しいので、記録として残しておこうと思います。そしてもしこの記録が、同じように肌のことで悩んでいる方に希望を与えるものになればとても嬉しいです。
目次
自己紹介
先に軽く自己紹介して、このような状態になるまでどのような経過だったかを書いていこうと思います。自己紹介というのは「趣味はブリッジしたまま寝ることで~」とかそういうのじゃなくて、そもそもどんな病気か、自分の今の状態がどんなものかという説明です。ちなみにそんな趣味は持ってないです。
僕は生まれつきのアトピー性皮膚炎持ちで、バリバリの乾燥肌です。「アトピー性皮膚炎」は皮膚のバリア機能が弱いために、いつもかゆみを伴う反応が身体に起こるというものです。特に小児のころなどは「体を掻く」ということが我慢できないので、身体に無数の傷ができます。切れ目のような「まさに傷」というものもあれば、黒ずんだ湿疹のような箇所もあったりします。
通常は成人するにつれて治っていくことが多く、成人になっても悩まされるような人の割合は1~2割だそうです。僕の場合はある程度はよくなっていきましたが、とても「治った」と言える状態には成人してもなりませんでした。正確には「成長することで『掻く』という行為を人前で我慢できるようになったことで傷が減った」という表現が正しい気がします。
今の状態
で、先に「自分が納得できるレベルでよくなった」今の状態がどんな感じかを書いておきます。
- 通年で目立った傷がほとんどない
- ステロイド薬(傷のできたところに塗る薬)を基本的に使わず、保湿剤や化粧水のみで過ごせる
- 毛を剃ったりしても痛くない(体毛、顔の産毛)
- 水やお湯でしみない
- 冷房や暖房のかかっている場所にいても気にならない
- 肌の赤みは残ったまま
だいたいこんな感じです。夏、冷房をかけたらかけたで肌の痛さを感じる方。とてもよくわかります。保湿剤といってもいろいろあるんですが、2024年の夏に思い切って「ベタつくけど保湿力の強い」ものから、「サラサラだけど保湿力が弱い」もの(化粧水)に変えてからも過ごせるようになりました。ベタつきがなくなったので身体が軽くなった気分です。もしかしたら僕の周りだけ重力が弱まっただけかもしれないという説もあります。ちなみに僕は物理が苦手です。
肌の赤みはどうしてもなくすのは難しいんでしょうね。ただこれもできるだけ頑張ってみようと思います。
自分なりに治すのを意識し始めた2年半前
治すのを意識する前の状態
「正直今さらよくならないとは思っているけど、自分なりにいろいろやってみよう」と思ったのが2年半前、つまり2022年の春頃です。このときの状態はどんな感じかというと、
- 傷の痛みは四六時中感じる
- 冷房は風がしみる(扇風機は大丈夫)、暖房は乾燥してしんどい
- シャワーを浴びた直後は全身が痛い
- 朝、起床するとシャツに血がついている
- 仕事から帰宅後、シャツの襟首を見ると血がついている
- しんどいときはパソコンを打つとかもしんどい、寝るのみ
みたいな状況です。アトピー性皮膚炎の重症度評価というのがあるみたいで、それを見ると「重症」ぐらいですね。「体の10~30%ぐらいに強い炎症を伴う皮疹がある」、うんそれぐらいの感覚です。
これは通年ではなくて、症状がよくなったりわるくなったりするのを繰り返すのもアトピー性皮膚炎の特徴です。僕の場合は、夏より冬の乾燥している季節のほうがしんどい。夏は夏で暑さと汗によって掻く…ということもありますが、僕はそんなに汗をかく体質ではないのであまり冬ほどはしんどくありません。ただ夏って半袖を着たりするので、他の人から見た印象がどうなのかなあとかは思いますね。僕は「暑いんだから半袖着るんじゃ!」って性格なので半袖半パンで過ごしたりしますが、友人とかがどう思ってたのかはわかりません。まあ朝起きたらだいたいシャツには血がついてました。
ちなみに、幼少のころに入院治療したこともあったそうです。1日3回シャワーを浴びて薬を塗って、親によるとツルツルになって帰ってきたんだとか。でもやはりかいちゃって、元通りになってしまうと。
当時の治療のやり方
で、この頃(2年半前)はどんな治療をしていたか。基本は症状がきつくなったり薬がなくなったら皮膚科に行く、という感じです。2、3ヶ月に1回ぐらいの通院ぐらいですかね。そもそも「治る」と思っていなかったので、「皮膚科は自分の症状が特に悪くなったらかかるもの」という認識でした。当時使っていた薬は、
- 保湿剤(白色ワセリン)
- ステロイド外用薬(ネリゾナ軟膏)
です。
保湿剤(白色ワセリン)
お風呂に入った後やシャワーを浴びた後は、この病気の患者にとって一番の難所かと思います。なんといっても肌の乾燥するスピードが尋常じゃないです。ほっといたら5分後にはサハラ砂漠みたいになるんじゃないかと思うほどです。そこで保湿剤というのを塗るわけですね。僕の場合は全身に。
で、このときは「プロペト(一般名:白色ワセリン)」というのを使ってました。油の成分も入っているもので、保湿力の高いぶん、ベタつきのあるものです。(でも調べたらワセリンのなかでは「ベタつきが少ない」ほうらしい。相当ベタベタするんですけど)
ステロイド外用薬
で、もうひとつの柱がこれ。掻いてしまってできた傷や湿疹のところに塗る軟膏です。お風呂を出たら保湿剤は全身に塗り、ステロイドを患部に塗る、という順番になります。このステロイドもいろいろと強さでランクづけされてます。5段階に分けられるのですが、僕の使っていた「ネリゾナ軟膏」は、
2番目の強さの「ベリーストロング」。強そうですね(小並感)。
1番目に強い「ストロンゲスト」はあまり使われることはなく、この「ベリーストロング」か、3番目に強い「ストロング」の強さの薬を使うことが多いそうです。
ときどき、ステロイドにどうも悪い印象を持っている方もいるそうです。ぼくは医学はよくわかりませんが、ステロイドを使った治療法というのは現在のアトピー性皮膚炎の治療法としてしっかり確立されているものです。僕は、ステロイドの使い方を変えてからいい調子に向かうようになりました。
普段の過ごし方
成人になった後ぐらいのころから、朝風呂に入るようにしてました。起床後ってめちゃくちゃ乾燥してるので、顔を洗うだけだと1日を過ごしている間に身体がきつくなってくるんですよね。ので、朝起きてシャワーを浴びて、薬を塗ってから大学に行ったり会社に行ったりしてました。ワセリン塗ってるから顔テッカテカですけどね笑。アッタマピッカピッカ~~
で、日中はかゆいのを我慢しながら過ごす。人の前ではできるだけかかないように。という感じ。
えーちなみに部屋は綺麗じゃないです(ボソッ)。食生活はまあ適当です(ボソッ)。
皮膚科にまじめに通い始める
さて意を決して、何からやるか。まずはやはり専門家にきちんと聞くことかなと思いました。と思ったのも、いつだったかの「アメトーーク」で、「お肌よわよわ芸人」っていうのをやってたんですよね。そこで今田耕司さんが、
「月1で皮膚科に通って、相談しながら治療していい状態を保っている」
って言ってるのを思い出しました。僕はお医者さんは調子が悪くなった時にお世話になるものと思っていたので、「そうか、調子が悪くなったときだけじゃなくて、普段から通っていいのか」という考えに切り替わりました。で、実際に「月1ぐらいで通ってみる」ことにしました。
他にもやろうと思えばできることはありました。ちゃんと部屋を片付けて掃除する癖をつける、食生活を改善する(油分の多いものばっか食べてる)、といったことです。アトピー性皮膚炎にとってハウスダストやホコリなどは天敵であり、住環境を清潔に保っておくにこしたことはありません。ですがそこで思ったのは、
「実家にいたときにあれだけ母がきれいにしてくれていた環境でよくならなかったのに、それで変わるんだろうか?」
ということでした。
僕は大学生、社会人になってからはずっと一人暮らしです。実家にいたころは綺麗で(自分の部屋は汚かったけど)、母は栄養バランスなども考えておいしい料理をたくさん食べさせてくれました。しかしその実家の環境から一人暮らしの環境になっても、よくもわるくもアトピーには特に影響がありませんでした。
なので、家事をがんばるのはいったん後回しにしました。
…なんか普段から掃除したくない言い訳にも聞こえますね。まあそれもあります。え?
先生にいろいろ聞いてみる
ということで、かかりつけの皮膚科の先生にいろいろと相談。これまでの「こんな症状がでて~」という説明をして薬をもらうだけではなくて、「この傷にはどのような塗り方をすればいいか」「お風呂(シャワー)の頻度はどれくらいがいいのか」「寝ているときのかゆみはどうすればいいか」と具体的に聞くようにしました。考えてみれば誰でもできることなんですけどね。その勇気すらもそれまではなかったな。
けっこう勘違いしていた
で、聞いてみるとけっこう自分のやり方が間違ってたことに気づきました。一番は、ステロイドの使い方ですね。僕はそれまでステロイドというのは目に見えてわかる傷に塗るものだと思ってました。で、「なんとなく消えてきたな~」ぐらいの状態になったら塗るのをやめてたんですね。
が、これはよくない。「毎日入浴後に塗る」というのを、傷が消えたあともしっかり続けていくべきなんですね。そして自己判断で塗るのをやめずに、次の皮膚科の通院で先生に確認する。先生が「塗る頻度を減らしていきましょうか」と言って、ようやく塗る回数を減らす。こうしていくべきだそうです。
自分もなんとなく「ステロイドは怖いもの、できるだけ塗るべきではない」という固定観念があって、それまでそのような対処をしてきたのだと思います。あと、「傷が治ったと思いたい」という精神的な面もあって、すぐ塗るのをやめていたのかなと思います。
が、この考えを捨てます。頼れるものがステロイドなのだから、先生の言う通りにまずはたくさん使ってみる。例えば調子の悪い時は全身に湿疹があるものだから、勝手に「特にひどいところだけ塗ろう」とかしてたんですけど、もうおかまいなしでやることにしました。
「お前ら覚悟しろよ。完膚なきまでに叩きのめしてやる。全傷掃討作戦開始」
そんな号令のもと、あらゆるところに塗布作戦。ひどいところからまず塗っていき、治りかけのところにも容赦なく(?)ぬりぬり。自分にもこんなSな面があったのかとびっくりしました。ははっ楽しい~。まえは上半身から塗っていると下半身を塗り始めるころにはだるくなってきて、「あとは適当でいいか…」ってなりがちだったんですけど、それもなし。太ももも、ひざの裏も全てステロイド攻撃。戦線拡大はとどまるところを知りません。
ステロイドは半日で効果が切れる
これも勘違いしていたこと。ステロイドは1日1回、入浴後にしか塗ってはいけないと勝手に思い込んでいました。が、先生によると
「半日でだいたい効果は切れます。ひどいところには塗り直してもいいんですよ」
とのこと。仕事はスーツでやるので難しいところがありますが、休日は1日2回塗るようにしたりしてました。容赦しねえ。
半年経つ、目に見えて効果が出始める
で、2022年秋頃。
「あれ、なんか調子よくね???」
なんか傷でしみることが少なくなってきた気がする。というか目立つ傷がだいぶ少なくなった。
ということに気づき始めます。
例えばおなか。たくさん切り傷があったところが、けっこうきれいになってました。おお。ええやんけ。
ま、例年 秋頃というのは自分の肌の調子はけっこう落ち着きやすい季節ではあるんですが、それでもいつもより調子がよかったです。
1ヶ月でも2ヶ月でも、気になった傷のところはしっかり薬を塗り続けるのがよかったようです。
厳しい冬
が、そのあとに来る冬。やはりこれがきつい。日本列島を襲う乾燥の勢いがすさまじすぎる。「今キャンプ行ったら乾燥した葉っぱとかいっぱい落ちてんだろうな、火つけやすそうだな」とか思っているのもつかのま、肌の調子は悪くなり始めます。12月の仕事の忙しい時なんかはやはりしんどかったですね。1日3回風呂入ってもよくならず、フケは落ち、寝てる間に掻いてしまう。
こういうときってなにもやる気しないんですよね。今は軽快にパソコンをカタカタ叩いてますけど、じっとしてパソコンをしてたらかゆみが気になるし、動いてたら摩擦で傷が痛むし。趣味のギターとかもやる気がでないしむしろ苦痛。眠くなくても布団に入って寝るのが一番まし、みたいな状況です。
春夏、調子が戻る
そして2023年。厳冬があって「やっぱり難しいんかなあ」とも思いましたが、そもそも生まれつき悩まされてきた病気ですから一朝一夕でどうにかなるとは思っていません。「数年単位で戦う」という初志を思い出し、やはり薬を塗るのに励みます。
すると冬を越えた春ごろ、また調子がよくなり始めました。やはり季節の影響は大きいものの、あたたかい時期はせめて今までより楽に過ごせることがわかって歓喜。
この頃、特に傷を治すのが難しかった首や脇、ふとももや手の甲といった部位もよくなり始めました。仕事前にネクタイを結ぶとき、肌の荒れた首を見ながらするのが嫌だったんですが、いつしかそう思わなくなったことに気づきました。手の甲なんか、嫌でもいつも目につきますよね。パソコンを打っている今もそうですが、営業車を運転しているときとか。アトピー性皮膚炎というのは「ストレス→掻いて傷が増える→ストレス→さらに傷が…」という悪循環を引き起こす病気なんですが、僕は「ちょっとでもよくなる→自分で褒める→ほかのとこもよくなる→さらに褒める…」という良循環を勝手に自分で作るようにしてました。外出先でも傷が治った部位に気づいたら「えっ…お前そんな綺麗やったっけ…やるやん⭐︎」とかブツブツつぶやいてました。近くのおじさんは目を丸くしてました。
保湿力が上がったのを実感
この頃も白色ワセリンを使ってがんばって保湿してたわけですが、体の保湿力が強くなってきたのを実感しました。正確にはふつうの人にちょっと近づいた…ぐらいかと思いますが。いつもは数時間で乾燥を感じていたのが、あれ、今日は1日もったな~と感じたり。身体自身が強くなってきたので、治りにくい部位もよくなってきたのかな?と思いました。
それでもまだ、身体を動かすとどこかの部位が痛むのは変わりませんでした。そしてまた厳しい冬が来ます。
てなわけで、また次回へ。お読みいただきありがとうございました。